「Windows 8CP」カテゴリーアーカイブ

Windows 8 Consumer Previewを仮想マシンにインストールしてみたよ。(その4)

PC WatchやASCIIなどでもWindows 8コンシューマープレビューの話題が出始めてきたようですね。(当然のごとく)海外のカンファレンスなどには参加していないので、これまでのエントリで使っていた用語がそれらと違うことはご容赦ください(いきなり「チャーム」と言われても何のことだか分からないよね)。

VMware Playerを使うときのおまじない

話題的にMetro UIの方が分かりやすかったのでそちらを先にしてしまったのですが、VMwareを使っている人は「あれ?」と思ったかもしれません。ソフトウェアのレビューとするなら真っ先に使用感や速度を気にするのですが、VMwareの場合、仮想マシンにOSをインストールした直後は本来のパフォーマンスを発揮することができません。
どういう状況かというのは「デバイスマネージャ」で各種デバイスの状況を確認したり、「エクスペリエンスインデックス」でWindowsのパフォーマンスを数値で見たりするのが手っ取り早いと思います。インストール直後の「エクスペリエンスインデックス」はグラフィックス・ゲーム用グラフィックスの値が低く、各種アプリケーションを動かす最低限の値と言っていいかもしれません。
これを解決するのが「VMware Tools」。普段VMwareを使っている人には耳タコだと思いますが、これを仮想マシンにインストールするだけでエクスペリエンスインデックスの値がかなり改善されます。具体的にはこんな感じ。分かりやすいですねー。

エクスペリエンスインデックス計測でどんな計測をしているかっていうのは、計測中にプログレスバーと共にメッセージが表示されるのでそれを見ていれば分かります。

  • Direct3D Aero
  • Direct3D 9 Batch
  • Direct3D 9 Alpha Blend
  • Direct3D 9 Texture Load
  • Direct3D 9 ALU
  • Direct3D 10 Batch
  • Direct3D 10 Alpha Blend
  • Direct3D 10 Texture Load
  • Direct3D 10 ALU
  • Direct3D 10 Geometry
  • Direct3D 10 Constant Buffer
  • Windows Mediaのデコードパフォーマンス
  • Windows Mediaのデコード調整
  • Windows Mediaのエンコードパフォーマンス
  • CPUパフォーマンス
  • メモリパフォーマンス
  • ディスクパフォーマンス

Vistaのエクスペリエンスインデックス上限値は5.9でしたがWin7では7.9に、Win8ではさらに9.9まで上がっています。

基本的にはWin7と変わらないが……

スタートメニューがなくなったこと以外は、かなりの部分がWin7と同じです。真っ先にチェックしたのがコントロールパネル。XP→Vista→Win7と変わるにつれてカテゴリの見直しが行われていたわけですが、Win8ではカテゴリは変わらず。Win7で新設された「デバイスとプリンタ」も変わらずです。

ひとまずパッと見で違うなと分かるのは、エクスプローラ。Microsoft Officeでは以前から、Win7からはペイントなどで採用されたリボンUIが採用されています。個人的には画面の縦方向のピクセルを占有するリボンUIはあまり好きじゃないのですが……。
あと気付きにくいですが、「表示方法の変更」と「プレビューウインドウの表示」ボタンがステータスバーに移動しています。

それと地味に嬉しかったのが、コントロールパネルやエクスプローラーなど、「戻る」「進む」だけではなく、「ひとつ上の階層にあがる」上矢印のボタンが付いたこと。Win7ではこの機能がなくてフリーソフトの「Wee」を使っているんですよねー。

変わってるといえば、「タスクマネージャ」も機能は変わらないものの見た目が変わっていました。プロセスタブではそれぞれのプロセスがどのくらいのリソースを使っているのか、パフォーマンスタブではCPU、メモリ、ディスク、イーサネットの項目ごとにグラフが大きく表示されるようになっていて、より分かりやすくなっています。

PC系ニュースサイトでもWindows 8の話題はだいぶ増えてきたので、正直なところこの先も続けようかどうか迷っています。

Windows 8 Consumer Previewを仮想マシンにインストールしてみたよ。(その3)

ちょうど旬なネタだったのか、被リンク先なんてほぼないようなblogなのに、1日のビジター数とページビュワー数がやたらに増えていてビックリです。そんなわけで今日も書いていきましょうかー。

マウス操作は少々不便? Win8の新UI「Metro UI」

Win8のインストール直後はすぐにMetro UIのスタート画面が表示されるのですが、再起動すると、ログオン前にはカレンダーが表示されています。ここからどうやってログオンするか分かるまでが一番の難関だと思います(苦笑

マウスでカレンダー画面をクリックすると、画像自体が自分からまくり上がるように上方に持ち上がるのが分かるはず。そう、カレンダー画面をドラッグしながら上方にスクロールさせるのが正解です。インストール時に指定したMicrosoftアカウント(メールアドレス)か、ローカルアカウント(従来のユーザー名)でログオンすると、Win8の新UI「Metro UI」が。

Win8のスタート画面となるMerto UIは、タブレットPCやXBOX360などゲームコンソールなどを意識してか、よく利用すると想定されるアプリケーションがカラフルなパネルとなってタイル状に配置されています。

ファーストインプレッションは「まるで大規模ショッピングセンターのエントランスにあるフードコートの案内板みたい」。図らずも、この印象は的を射たものでした……。

マルチタスクのはずがシングルタスクに……

Metro UIのスタート画面にどんなアプリが並んでいるかは、各所で公開されている画像を見てもらえば分かると思いますが、まだコンシューマープレビューということもあって細かな部分の日本語化が済んでるとはいえない状況。この辺はこれからですね。

で、肝心な話。このスタート画面は、これまでのWindowsと大きく使い勝手が違う部分でもあります。
最も大きな違いは、スタート画面に配置されていてる「デスクトップ」以外の各種アプリは(内部的にはマルチタスクのはずですが)使い勝手的にはシングルタスクである点。「メッセージング」や「メール」のほか、「フォト」や「ビデオ」といったアプリまでもが従来のデスクトップを介さない全画面のアプリケーションとなっています。

これがどういうことかというと、「従来のデスクトップではなく、このスタート画面が基本操作の起点となる」ことを意味するわけです。もちろん、Alt+Tabによるタスク切り替えはできますが、新たにアプリを起動しようとすればWindowsキー(もしくはCtrl+ESCキーで)スタート画面に戻らなければいけない。先ほどのたとえが的を射ていたというのも、それぞれのお店に行く(アプリを起動する)ためには毎回、入口まで戻って案内板(スタート画面)を確認する必要があるわけです。スタート画面自体はカスタマイズもできますし、特定アプリだけを使用するユーザーにとっては便利なのかもしれませんが……。

感覚としては、Windows 3.1時代のプログラムマネージャが全画面になったものという感じ。Windows 95以降のスタートメニューに慣れてしまったユーザーには厳しいものです。

Metro UIの基本インターフェース

一通り触って満足した後、シャットダウンしようと思って困りました。実機にインストールしているのであれば電源スイッチを押してスリープさせるなり電源断するなりできるわけですが、今動かしているのは仮想マシン。しかも身体に染みついたスタートボタンはありません。

では、どうすればいいかといえば、マウスカーソルを画面右上端か右下端に持っていくのがWin8の新しい操作。(そういえば、Win7ではタスクバーの右端が「デスクトップの表示」に割り当てられていましたね)

画面右端からせり出してくるメニューは「検索」「共有」「スタート」「デバイス」「設定」の5つ。

  • 「検索」は…読んで文字のごとし。Win7のスタートメニューにあった検索フォームに相当するものですね。
  • 「共有」もそのまま。この辺はホームグループなどと合わせて後で詳しく試してみたいと思います。
  • 「スタート」はMetro UIの「スタート画面」へ戻るボタン。
  • 「デバイス」は…画面やデジカメ、DAP(Digital Audio Player)などに関わるもの。
  • 「設定」が最も多くのユーザーが利用するもの。コントロールパネルへのアクセスや、音量調整のほか、ここでシャットダウンができます。

次のエントリでは、デスクトップ周りのことについて触れましょうかね。

Windows 8 Consumer Previewを仮想マシンにインストールしてみたよ。(その2)

というわけで、VMware Playerのインストールが終わり、仮想マシンのスケルトンができたところでWindows 8のインストールを始めましょうか。

 セットアップ自体はWindows 7とあまり変わらず

ISOイメージをマウントした仮想マシンの電源を入れる(再生をする)と、POSTメッセージの後に表示されるのはお馴染みのWindowsロゴではなく、折り紙かペーパークラフトのような魚(金魚?)のイラスト。Win7の時もこんなじゃありませんでしたっけ? 何となく見覚えがあるんですが……。

その後の画面はロゴこそ変わっているものの、Win7とほぼ一緒。

  • インストールする言語がそれぞれ日本語であることを確認して次へ。
  • 「今すぐインストール」をクリック。
  • プロダクトキーの入力が求められるので、ISOイメージをダウンロードする時にメモっておいたプロダクトキーをハイフンなしで入力。
  • ライセンス条項を一通り確認して「同意します」のチェックボックスにチェックを入れ、次へ。
  • インストールの種類は、今回はアップグレードではなく仮想マシンへの新規インストールなので「カスタム設定」を選択。
  • インストール場所は特に考えずに仮想マシンを作成した際のHDDを選択するだけ。この辺は既存OSと共存させる場合には変わってくるので、その時は環境に合わせて設定を。

インストール先の設定が一通り済んだら、ファイルのコピー・展開機能のインストール更新プログラムのインストールと自動的に進行。Win7の時は、インストールがこの画面の途中で止まる場合、基本的なハードウェアが必要要件を満たしていなかったり、メモリにエラーがあったりしましたね。
再起動後、レジストリの更新とシステムの準備がスタートアップスクリーンを表示したまま行われると、改めて再起動。ここからがログオンに関することなど基本項目の設定です。

 基本項目の設定

基本項目の設定は「パーソナル設定」「ワイヤレス」「設定」「サインイン」の4つから成ります(今回の場合はデスクトップPCなのでワイヤレス設定はありませんが……)
まずは「パーソナル設定」。設定が行えるのは「背景の色」と「PC名」の2つ。PC名などは後で変更することもできますが、一度設定するとその後手を触れることはほぼないので分かりやすい名前にしておきましょう。ウチの場合、ホストPCが「KOMOMO」だったのでゲストOSは「KOSAME」としました。『星メモ』をプレイした人なら分かってもらえるはず。

 (※ゲーム中、こももが「星霊の義」を行って呼び出した星霊がこさめでしたね)

 どんどん基本設定を続けますよー。

基本設定は、「簡単設定」「自分で設定する」方法のどちらかを選べるのですが、今回はどんな項目が設定できるのかを確認するために「自分で設定する」を選択。

  • PC間での共有設定は、自宅のLAN内でファイル共有・プリンタ共有を行うために「はい、共有をオンにしデバイスに接続します」を選択。
  • Windows UpdateとSmartScreenフィルタの設定は……デフォルトのままで問題ないでしょう。必要であれば変更する感じで。
  • 使用状況をマイクロソフトに送るかの設定の部分も必要に応じて変更。今回はコンシューマープレビューですし、変更せずにすべて「オン」のまま次へ。
  • トラブルシューティングの情報入手やアプリと情報の共有設定もそのまま。
  • PCへのサインイン設定は、Windows 7ではなかった項目…のはず。少なくともこの段階でMicrosoftアカウント(メールアドレス)の設定はしませんでしたよね? Windows 8は、WindowsメッセンジャーやWindows Liveメールと深く結びついているためにこの項目があります。
  • メールアドレスが有効なものであるかの確認が済んだ後、Microsoftアカウントのパスワードを入力。さらにパスワードを忘れた時のためのセキュリティ確認情報を入力する画面が表示されるので、必要であればここも入力。

ここまでが済むと「Windowsの準備をしています」とのメッセージが表示された後、Windows 8で取り入れられた新UI「Metro UI」が表示されます。
結構書いたので、「Metro UI」の基本的な操作などについては次のエントリで。

Windows 8 Consumer Previewを仮想マシンにインストールしてみたよ。(その1)

MicrosoftからWindows 8のβ版とでもいうべきコンシューマープレビューが公開されたので何とかして試したかったのですが、テスト用に使えて、なおかつWin8が普通に動くようなPC(&空きHDD)がなく、どーしたもんかと思っていました。実PCで動かせないなら「仮想マシン上で動かせばいいじゃん」。そういうわけでインストールしてみたら動いてしまったよ、的なエントリです。
Win8の紹介本のお仕事が来るかどうかは分かりませんが、忘れないうちに一度まとめておいた方がいいよね?

ISOイメージのダウンロードと仮想マシンのセットアップ

まずは準備から。
Microsoftの「Windows 8ページ」からISOイメージをダウンロードします(http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows-8/iso)。ダウンロードするのは64bit版・32bit版のどちらでもいいのですが、自分のPC環境とこれから作成する仮想マシンの環境に応じて考えましょう。インストールに必要なプロダクトキーも同じページに記載されているので、エディタやメモ帳などにコピペして保存しておくといちいちサイトを開かなくて済みます。

次に仮想化マシンを動かすプログラムの準備。

私の環境はWindows 7 Professionalなので、まずはWindows Virtual PCを使ってみようと思ったのですが、仮想マシンを作ってみたところ青画面のエラーが表示されてインストールできず。64bit版のISOをマウントしたものの64bit版はサポートされていない模様。
32bit版もエラーメッセージを読めば分かりますが、“HAL INITIALIZATION FAILED”、直訳すると「HAL(Hardware Abstraction Layer)の初期化に失敗しました」と表示されてインストールできませんでした。

んでは、Windows 7の本を作る時にお世話になったVMware Playerを使ってみましょうか。
VMwareの「評価版と無償製品ダウンロード一覧」ページ(http://www.vmware.com/jp/try-vmware.html)の右カラムにある「無償製品のダウンロード」から、VMware Playerを選択。メールアドレスなどを登録した後、VMwareからのメールに記載されているurlからVMware Playerをダウンロード。インストーラーのメッセージに従ってインストールすれば問題なく終わるはずです。

仮想マシンの作成

肝心の仮想マシンを作成しましょう。この部分は仮想マシンを動かすホストOSの環境によってオプションなど読み替えてください。ホストOSが32bitの場合は管理できるメモリが最大3.6GB程度なので、ホストOS側のWindowsが使うメモリを考えるとインストールできそうなのは32bit版となります(かなりメモリがカツカツなので32bit版のホストOS上に仮想マシンを構築するのはオススメしません)。

それにしても今は仮想マシンウィザードなんてものがあって便利ですねー。
「新規仮想マシンの作成」からウィザードを起動して、Win8をインストールする仮想マシンをサクサク作っていきましょう。

  • インストール元は、先ほどダウンロードしたisoファイルを指定。インストールが終わったらVMware Playerのメニューからアンマウントしてくださいね。
  • 仮想マシン名、場所は適当なものを。仮想マシンのファイル容量は可変するので、空き容量の充分にあるHDDに、仮想マシン専用のフォルダを作っておきましょう。
  • ゲストOSの選択は、「Microsoft Windows」を選択。バージョンは……Windows 8はもちろんリストにないので「Windows 7」もしくは「Widnows 7 x64」を選択
  • ディスク容量の指定は…テスト用途に使うのならば標準のままで問題ないかと。

作成した仮想マシンの設定一覧が表示されるので、問題が無ければ「完了」を。
メモリやCPUなど、仮想マシンのハードウェアを細かくカスタマイズしたい場合には、「ハードウェアをカスタマイズ」ボタンをクリックして先へ。64bit版Windows 8をインストールするためには、2GB以上のメモリを割り当てておかないとインストールできないので注意。当然のことながら実際にPCに搭載されている以上のメモリを割り当てても意味はありません。


VMware Playerのリストに作成した仮想マシンが表示されるので、起動したい仮想マシンを選択した後、「仮想マシンの再生」を選択すれば仮想化されたPCが立ち上がります。
というわけでインストール編は次のエントリで。